a bull pup

ワトスンとレストレードびいきの シャーロッキアン見習いが綴るぶろぐ

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朝イチで買ってきました。
通して読んでみると唐突に終わった感が一層増しますねえ。

なんか、話がいきなりオカルティックに展開して、どこの「悠かなり愛し夢幻」ですか、とツッコミを入れたくなった途端に終了という感じ。
謎が謎のままでいたって中途半端ですが、あのノリで続けられても嫌だったかも。
ハドソン夫人を主人公にしても面白そうと書いてあったところをみると、オリジナリティ出したくなったのかなあ?

ハドソン夫人といえば、一代目ハドソン夫人にバイオリンを聴かせてあげるドールサイズ・ホームズのお話は可愛かったです。
生前のホームズについて思い出を語るハドソン夫人……。・゚・(ノд`)・゚・。
VRの壁射撃には出て行ってもらいたくなったと(笑)
「一瞬だけ」と付け加えるところが、さすがもと氏。わかってらっしゃる。

これほどまでシャーロック・ホームズの物語を理解し、時代を把握した絵を描ける人は他にいないと思うので、終了はやはり残念ですね。

Dearホームズ 2 (2)
Dearホームズ 2 (2)著者:もと なおこ
価格:¥ 410
『There is Not Elements』
There is Not Elements
「Dear ホームズ」最終回について。
※ネタバレあり注意




ミステリー・ボニータ連載の「Dear ホームズ」最終話読みました。
今回は思うところあって購入には到らず。

うーん。微妙な終わり方でしたね。
シャーロック・ホームズという枠組みのある中の物語ですので、ああいう終わり方になるのは予想がついていました。
魂ごと消滅?→夢だったのかも→「最後の事件」の執筆。
他に描きようがありませんものね。
ただ、最後に古書売りのおじいさんが変装を解くところまで描くとは予想出来ませんでした。
そこまできっちりと描く必要があったのかは疑問です。

「シャーロック・ホームズの回想」の後に「シャーロック・ホームズの帰還」を読め。
「最後の事件」の前に「空き家の事件」を読むな。

というシャーロック・ホームズを読む上での唯一のルールを全く無視しています。
いくら誰もが知っている古典とはいえ、そこはタブー中のタブーですよ。
再会のシーンは具体的に描かずに意味深にごまかして、シリーズ第二話の冒頭文「ベイカー街の彼の部屋には今も彼宛ての 事件捜査依頼の手紙が届く」をそのまま使って締めてくれても充分納得出来ました。

以上、こりもせずワトスンを辛い目に遭わせるホームズも気になりましたが、ツッコム気力なしです。
※ネタバレあり注意



前回、大切なことを書き忘れました。
カバーの見返しの「1891年にストランド誌に掲載された"ボヘミアのスキャンダル"の挿し絵から1場面頂戴しました」は前回も引用したのですが、その「1891年」に注目してください。
「ボヘミアのスキャンダル」はシャーロック・ホームズの短編の第一作(「シャーロック・ホームズの冒険」収録)です。
そして、「幼い依頼人」で最初に描かれている新聞の日付は1892年となっています。
ホームズがラインバッハの滝に落ちたのは一年半前と台詞で説明されていますから、「ボヘミアのスキャンダル」が世に出たときは、すでに「最後の事件」後ということがわかります。
世に知られている「シャーロック・ホームズの冒険」と「シャーロック・ホームズの回想」はその時期に書かれたものなんですよ。
そう思いながら正典を読み返すと切なくなります。

書かれた時期と事件が起こった時期を熟知しているシャーロキアンなら常識でしょうが、ふつうはそこまで考えて読みません。
このことを知っていると単行本の最後に入っている「尋ねる娘」で泣けます。


さて、前回の続きで11Pから16Pまで語りたいと思います。
11Pはハドソンさんとワトスン先生が階段を上りながら語るシーンです。
段数を数えたかったのですが、無理でした。
ハドソンさん曰く、叔母の初代ハドソンさんはホームズの死に気落ちして田舎にひっこんでいるとのこと。
「寂しいですね……」
「ホームズが部屋を盛大に散らかすたびににぎやかになったハドソン夫人のお説教が…もう…聞けなくて……」
とはワトスンの台詞ですが、私もそう思いました。
この「寂しい」は初代ハドソンさんがいないからだけではありません。
ハドソン夫人のお説教を聞くためには、ホームズも居なくてはならない。
ホームズとワトスンとハドソンさんの三人がいなくては、221Bじゃないんですよ。

そしてドアを見る→ドアノブに手を伸ばす→部屋に入る→ハドソンさんが去る。
12Pにつづくこの一連のシーンに、ワトスンの顔は一度も描かれていません。
(ホームズ…)
と、語りかけるような心の声がドアにかかります。
次のコマでようやくワトスンの顔が描かれていますが、その表情はやさしく微笑んでいます。
同時に、眼鏡をなおすしぐさをしているので、彼が何を見ているかが気になります。
次のコマに描かれた部屋の中はまさしく221B。
実験器具・パイプ・シルクハット・ヴァイオリンなど、ここだけでいろいろ語り尽くせそうです。
そして、中央の椅子に座って、独特の手の合わせ方をしているホームズの幻影。

ワトスンは自分の目を疑うことなく(きっと見慣れているんでしょう)、ヴァイオリンを手に取りながら、心の中でホームズに語り続けています。
ここの語りで読者はメアリがすでに死んでいることがわかります。

なんといっても13Pの回想で出てくるメアリが可愛らしいっ!
正典の可憐な女性というイメージそのままです。
ちゃんと羽根のついたターバンをしてますし、これならワトスンが一目惚れするのも無理はないです。

(妻も私を置いて逝ってしまったんだよ)
この「妻"も"」がポイントです。
彼は飲んだくれの兄も、メアリと出逢うちょっと前に亡くしています。
でもメアリと結婚して家族というものを得て、しあわせを感じていました。
それから二年もしないうちに何年も同居してきた友にも死なれたんですよ。
しかも「自分のせいじゃないか?」と思ってしまうような状況で。
それから立ち直るまもなくメアリが死亡。
メアリの死因はわかっていませんが、妊娠中毒という説もあります。
もしそうだったら彼は妻と我が子を同時に失ったことになるので、違うと思いたいです。
しかし相次ぐ大切な人の死に傷ついていたのは確かでしょう。

14P
(そしてメアリ 君と結婚生活を送れたのは たった3年……)
私に泣けといわんばかりのこの台詞。
ここもワトスンがどんな表情をしているのかわからないように描かれていますが、お茶を持ってきたハドソンさんがドアの前で声をかけられないでいます。
それに気づいて微笑むワトスンと、微笑み返すハドソンさん。
いいなあ、このシーン。

「お呼びだてしてしまった理由はこれですの」
と、本題に入ります。

15P
ホームズ宛に届いたという大きな荷物を見てみると、それは221Bに似せた巨大なドールズハウス。
やはり、まっさきに定規を当てて階段の数を数えようとしてしまいました。
ドールズハウスの部屋の中には、長椅子、マントルピース、ふたつのパイプ、床にまで落ちている新聞、拡大鏡、火かき棒、積み重ねられた書物、ヴァイオリン……。
たとえグラナダの映像を元にしたとしても普通ここまで詳細には描けません。
こんなドールズハウスが売ってたら買いたいものですが、高いでしょうねえ。

16P
「今朝起きたら誰も知らない間にここにこれが……」
「!!」
おどろいて気遣うワトスンに、「いらしてくださっただけで 安心してしまいました」と可愛らしいことを言うハドソン夫人。
恋愛フラグが立ちそうですねぇ。

手紙に話題がうつって、机がしめされます。
上に置かれているのは、死んだと報じられたにもかかわらず今でも届く手紙の束。
もちろんすべてホームズ宛です。
百年経った今でもとどけられるんですから、当然です。
上手く言えないのですが、この「手紙」というのは現実と虚構・過去と現在を結ぶ重要なアイテムだと思います。
「Dear ホームズ」というタイトルもそういう意味を含んでいるのかも知れませんね。

勝手なことを言いつつ、長くなってきたので終わります。
次は17Pからですかね。

ところでずっと疑問に思っているのですが、16Pの机の上にのっているあのゾウの置物は何でしょう。
正典にありましたでしょうか?
何か意味があるはずだと思うのですが、わかりませんでした。
わかる人がいたら教えてください。
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